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ワークショップの記録 | ワークショップの提言 | AFPを強化するための声明案


ワークショップの記録

アジア森林パートナーシップ(AFP)の
強化を図るための地域ワークショップ
インドネシア、ジョクジャカルタ市 
2004年8月30日—9月1日


背景 

第34回ITTO理事会において採択された「AFP強化に関する決議」および、2003年11月21日に木更津市で開催された第3回AFP実施促進会合での合意を受け、インドネシア国政府は表記ワークショップを開催した。ITTO理事会決議に明記された同ワークショップの目的は以下の通り。

  • AFPの活動を促進するために、活動目標と組織機構についての精査を行う。
  • コンゴ・ベイスン森林パートナーシップ等、類似の活動と経験の共有を図る。
  • AFPの活動計画の策定および実施に、市民社会と民間セクターの広い範囲の関係諸機関からの意見を反映するとともに貢献を要請する。
  • 市民社会と民間セクターを含むパートナーの間に情報共有のためのネットワークを構築する。
  • AFPを強化するための提言を行う。

  同ワークショップには、12カ国からの政府代表団、7国際機関、49の民間団体アジア・欧米・アフリカ諸国17ヶ国、4国際機関をはじめ、多数のNGO、研究機関、産業界等から約150名の参加があった。

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開会式

Dr. Ir. Sanyotoジョグジャカルタ特別州地域長官による歓迎の挨拶.

Mr. Amha bin Buang国際熱帯木材機関(ITTO)事務局次長は、過去3回のAFP実施促進会合を受け、AFPが計画に関する議論から活動へと移行する段階にあること、本ワークショップによりAFPが強化され、その成果が第4回AFP実施促進会合に反映されることへの期待を表明した。

 市川一朗農林水産副大臣は同ワークショップが、AFPの組織構造、意志決定機構、作業計画の提案と実施手順、AFPの対象とする違法伐採対策、森林火災の予防、荒廃地の修復に関わる現在進行中の活動について、議論する場であることを強調するとともに、第4回AFP実施促進会合が2004年12月8-10日に日本で開催されることを表明した。

 Mr. Koes Saparjadiインドネシア林業省森林保全・自然保護総局長は、Dr. Mohammad Prakoso林業大臣の名代として、AFPが組織体制を確立する必要があること、同ワークショップにより実現可能な組織体制に関する提言が取りまとめらるべきこと等を述べ、開会を宣言した。

 開会式に引き続き、松岡利勝衆議院議員による基調講演が行われ、違法伐採および違法伐採木材の貿易は、世界中の関係者が協力して取り組むべき問題であり、AFPの立ち上げを含め二国間および多国間協力を通じた取り組みを、日本が実施していることが紹介された。

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全体会議

パートナーシップの経験の共有
座長 Mr. Djauhari Oratmangun (Director, インドネシア外務省)

今泉裕治(林野庁海外林業協力室課長補佐)、Mr. Francois Ossama(中央アフリカ持続可能な開発情報ネットワーク[RIDDAC]会長、カメルーン)、Mr. David H. Kaeuper(米国コンゴ・ベイスン・森林パートナーシップ促進担当大使、前・駐コンゴ共和国大使)、Ms. Adelina Kamal(ASEAN事務局資源開発局環境担当上級事務官)による発表と質疑応答を含む討論が行なわれた。

今泉氏は、AFPのこれまでの活動経過について発表した。AFPは2002年のヨハネスブルグサミットにおいて、タイプ2プロジェクトとして発足した。 2003年7月にジョクジャカルタで開催された第2回会合において、AFPは違法伐採対策、森林火災予防、森林修復の3つの分野においてパートナーが自発的に協力する(縛りのない)パートナーシップであると定義された。2003年11月に日本で開催された第3回会合では、合法性基準、税関の役割、能力開発設備に関するデータベース、森林修復プロジェクトの再評価等、作業計画についての議論がなされたこと。進捗状況は異なるものの、10の作業計画がAFPウェブサイトで公開されている。2004年8月末現在、16国家政府、8国際機関、4NGOがAFPの正式なパートナーである。AFPは、ITTO理事会(2003年5月)、国連森林フォーラム(2003年6月)、ASEAN+3会議(2003年8月)、日本−ASEAN行動計画会議(2003年12月)、G8サミット(2004年6月)等の国際会議で言及されており、地域活動として広く認知されている。今後は、特に市民社会、民間企業パートナーの増加が必要である。また、AFPはパートナー間、各活動間の連携を強化し、費用対効果の高い活動を実施する必要がある。

 Mr. Francois Ossamaは、アジアと中央アフリカ地域の類似した特徴について発表した。森林保全への関心の高まりと、NGOや世界銀行による圧力を受け、中央アジア諸国政府は、COMIFAC(the Conference of Ministers in Charge of Forests of Central Africa、中央アフリカ森林担当大臣協議会)を発足させた。中央アジア地域に数多くの森林パートナーシップがあり、コンゴ・ベイシン森林パートナーシップ(CBFP)はそのうちの一つである。CBFPはCOMIFACを補佐するもので、その目標は、持続的森林官管理の推進と、経済成長の支援である。環境保全と経済発展の両立を目指している。CBFPおよびCOMIFACは、持続的森林管理を推進しかつ貧困を解消するための活動にむけ、努力を行なっている。

 Ambassador David H. Kaeuperは、CBFPの全体構造は未完成であるが、CBFPの枠組みに基づいた活動が開始されつつあり、官僚主義に陥らず活動重視の方向に進みつつあることを述べるとともに、次の4点の教訓を紹介した。

  • 既存の組織や活動は正しく評価されるべきである。パートナーシップは既存の組織、機関に対する支援のみを行う。
  • CBFP は象徴として重要であり、信用性高め支援の確保に役立っている。
  • 指導力が重要である
  • 実施時期に関する評価と問題点(CBFPは当初、他の類似の活動と競合するものとしてとらえられたが、現在は活動の一つとして認知されている。)CBFPの発足時期は正しいものであった。発足時に活動体制を確立していなかったことは問題である。そのため活動の実施と政策的課題の双方に関する議論を並行して実施せざるを得なかった。

彼は、同ワークショップへ招聘されたことを感謝するとともに、特に違法伐採および違法伐採木の貿易については、ある地域で対策が成功した場合に別の地域で問題が大きくなる可能性があることから、持続的森林管理の実現にむけてAFPとCBFPが共同歩調をとることの必要性について言及した。

 Ms. Adelina Kamalは ASEANの組織機構とASEAN地域の共同取り組み事例の経験から、パートナー間で、未来像(ヴィジョン)と目標を共有し定期的にそれらを確認すること、基本方針および戦略を策定すること、活動の実施およびモニタリングのための手順を確立すること、 パートナーが活動計画を提案し実施に移すために優先順位および基準を設定すること、長期および中期の詳細な活動計画を策定し実施に移すこと、協力の各段階において適切な調停方法を確立すること、活動計画の実施を先導するパートナーの指導力を促進すること、整合性のある活動のためには小さく効果的な事務局が必要であること、AFPの活動計画はパートナーの意向を正しく反映したものであること等を、AFP関連活動の進捗に有益なものとして紹介した。

 彼女はまた、AFPはアジア地域における既存の活動との重複をさけ、既存の活動を補完する方針をとる必要があることに言及し、ASEANおよびASEAN+3の枠組みにおいても、違法伐採対策、森林火災予防、森林修復に関わる取り組みがなされているため、相互補完的な協力が重要であることを強調した。

 発表後の討論では、AFPが自発的参加に基づく平等なパートナーシップであることが強調された。AFPは、木材生産者および森林管理の向上に向けた圧力を高めてきたが、資金調達を含め各パートナーの責任ある参加が必要である。AFPは、活動の重複を避け、支出を抑え、効果を最大限にするために、ASEAN、アジア太平洋諸国森林担当者会議等の地域機関と密に共同することが重要である。

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全体会議

AFPの組織関係事項
座長: Mr. Patrick Durst (FAO, Bangkok)

藤間剛(CIFOR研究員)及びNina Haase(AFP情報共有事務局員)、Agus Setyarso(インドネシア林業省国際開発局違法伐採対策に関するインドネシア−英了解覚書プログラムファシリテーター)およびNandang Prihadi(インドネシア林業省国際協力局)、Bambang Murdiono(インドネシア林業省国際協力・投資局長)による発表が行われた。

 藤間及びHaaseは、AFP組織機構の現状について、意志決定機構、情報交換活動、活動計画(Workplan)、資金調達等を発表した。発表では、AFPは目的の達成に必要な活動の実施を促すとともに情報共有の場を提供するもので、AFP実施促進会合が最高意思決定機関であること、現在の事務局業務は情報交換に特化していること、活動計画が活動の実施と資金調達機構となっていることを紹介した。また、各パートナーが同等の立場で参加できるというAFPの特徴を強調した。

 SetyarsoとPrihadiは、違法伐採対策に関するインドネシア−英国間の了解覚書(MoU)に基づく発表をおこなった。パートナーシップとは、個々の参加者および団体がそれぞれに密に協力するとともに権利と責任を共有するものであり、相互の信頼と知識の共有、協同が、組織間パートナーシップの主要要素であるとした。また、上記覚え書きに関する活動の教訓から、AFPに対し次のような提言をおこなった。

  1. 組織形態: AFPは協同活動の組織になりつつある。共通の目標をめざし戦略的合意を通じた各パートナーからの投入により運営されるものである。
  2. 必要条件: 効果的なパートナーシップの実現に先だって組織体制が確立される必要がある。組織体制の確立には、信頼の醸成、知識と能力に基づいた各パートナーの位置づけが必要である。
  3. 情報交換: 情報交換活動は、他の活動計画の提案に先立って実施される必要がある。その第一段階として、情報交換戦略が策定されるべきである。情報交換の第一段階は、包括的で完全なものでない可能性がある。知識の向上にはなんらかの施策が必要であり、徐々に達成されるものである。
  4. AFPの運営: AFPには、能力の高い専任職員を有する強力な実施促進部門の設置されることが望ましい。同促進部門は各パートナー機関の責任部局と協力する。意志決定、モニタリング、管理のための機構が、促進部を補完するものとして形成されるのが望ましい。
  5. パートナーシップの公認: 上記、AFP促進部門の設置と活動の開始のためには、公式、非公式を問わずパートナー間の合意が必要である。
  6. パートナーシップへの参加要件(Membership) : パートナーには特定の義務はないが、パートナーシップで共有される情報、促進部門への貢献、責任の範囲等にしたがって、なんらかの最低条件は付加されるべきである。

Mr. Bambang Murdionoは、AFPに対するパートナーからの批判的な意見として、あまりにも緩やかな組織であること、活動的パートナーになるための手順に基準がないこと、活動の実施および意志決定に明快な機構が無いこと、資金負担にかけること等があると発表しした。そして、AFPを強化するためにより公的な構造と機構について提案した。同提案は、「AFP強化のための宣言」として起草された。同提案には、AFPの組織機構、パートナーの位置づけ、パートナーの貢献等が含まれている。

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作業部会報告

作業部会1: パートナーシップへの参加要件等
座長: Mr. Transtoto Handadhari (インドネシア林業省)
報告者: Mr. Hugh Speechly (DFID イギリス)

 同作業部会は、パートナーの必要条件、活動および事務局の運営についての共通認識を得た。AFPパートナーの必要条件は、下記のように勘案される。

  • AFPへの参加に地理的な制限は加えないが、現実的な目的を保持するものとする。
  • すべてのパートナーは平等である。
  • パートナーになるために特定の条件は無い。
  • 非政府組織パートナーは重要である(ただし現在までのところ、発展途上国のNGOの参加は限られたものである)。
  • 参加者は参加することの利益を認識しなければならない。

 AFPの活動は、他の活動と競合せず補完的で調和のとれたもので無ければならない。たとえば国境問題のように、地域の一部に特別な要求を満たす活動は、有効な協働ができる分野である。

 同作業部会は、事務局の必要性およびコンゴ・ベーシン森林パートナーシップで適用されつつある「軽い事務局」が望ましいことに合意した。この「軽い事務局」は、情報クリアリングハウスおよび促進者としての役割を果たすが、AFP事業に関する意志決定は行わない。

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作業部会2: 活動計画(ワークプラン)
座長: 今泉裕治 (林野庁)
報告者: Dr. Ronasit Maneesai (Thailand)

 同作業部会では、現行のAFP作業計画のあり方についての見直しと改善策の提言がなされた。ただし、参加者の一部からは相反する見解が提示された。作業部会での議論および全体会議への報告後の討論で以下の事項が指摘された。

  1. AFPは、これから数年間に何を達成するかを明確にするために、短・中期の包括的作業計画を立案すべきである。
  2. 作業計画の立案と実施のためには、明瞭な指針と戦略が必要である。
  3. 作業計画の立案に際しては、現状及び既存の活動の特定と一覧化が必要である(Context Mapping, 状況把握). 
  4. 作業計画は、関連する他の地域活動を特定する必要がある。
  5. 作業計画は、同様の目的をもつ既存の活動と協力しなければならない。
  6. 作業計画は、パートナーが過去に実施もしくは現在実施中の活動、作業計画から得られた経験および情報を生かさなければならない。
  7. 新規の作業計画は、既存の活動にどのような価値を付加するか、特定しなければならない。
  8. 作業計画の立案、実施および成果は、特別、測定可能、達成可能、現実的、時限があるもので、かつ、透明性、説明性、参加性が確保されたもので無ければならない。“SMART” (Specific, Measurable, Achievable, Realistic, Time-bound) and “TAP” (Transparent, Accountable, Participatory)
  9. 各作業計画は、営利企業の参画を促すためにも、実施期間を可能な限り明確に定めなければならない。
  10. 作業計画はパートナーが自発的に提案するべきもので、AFP自体および事務局が提案すべきものではない。AFPおよび事務局は、各活動の促進を補佐するのみである。
  11. 作業計画は、複数のパートナーからなるグループが協同して立案・実施すべきもので、単独で行われるべきものではない。協同は活動過程であり、目標ではないことを強調した出席者がいた。
  12. 作業計画は、AFPの本来の達成目標、懸案事項に焦点を当てたものでなければならない。この点については、AFPでは3つの重点的課題が設定されていることが指摘された一方で、重点課題のそれぞれに細かい目標設定が必要であるという意見が出された。作業計画を固める前に、各パートナーがもつ興味と懸案について整理すること、各パートナーが3つの重点課題のどこに焦点を置くかに関する整理が必要なことが指摘された。(ただし、これは第2回AFP実施促進会合において実施されている)
  13. 作業計画は、パートナーシップ外からの注意を喚起する強いメッセージを発信しうるものでなければならない。
  14. 個々の作業計画は、対象とする地域、対象とする集団を特定したものでなければならない。
  15. 個々の作業計画は、参画パートナー(政府、国際機関、市民社会団体、営利企業等)の役割と、責任及び権利を明確に定義したものでなければならない。
  16. 作業計画の書式には、一連の項目があるが義務的なものでない。作業計画は柔軟でなければならない(あれ?)
  17. 作業計画の型式にとらわれすぎてはならない。概念的な記述で十分な活動もある。
  18. AFPパートナーは、作業計画の提案もしくは協力を、積極的に実施すべきである。要請さえあれば作業計画の提案および協力を積極的に実施したいという意向を表明したパートナーに対して、活動を実施するには他からの要請を待つ必要はなく、率先して実施すべき良いという意見が出された。
  19. 作業計画案は実施促進会合に先立ってパートナーに配布されるべきという意見と、作業計画の提案、提出、配布は実施促進会合の時期に関わりなく実行可能という意見が出された。

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作業部会3: その他の組織事項
座長: Dr. Toni Soehartono (インドネシア林業省)
報告者: Ms. Nina Haase (AFP情報共有事務局)

 現在、AFPウェブサイトがパートナーシップの活動とその記録の中核をなしており、定期的に発行される「オンライン、アップデート」により、作業計画の進捗状況、AFPに関連するニュース等、新規にウェブサイトに掲示された情報が各パートナーおよび関連諸機関に通知されている。ウェブサイトとe-mailによる情報の共有は低コストで効果的なものである。ただしウェブサイト内で過去の会合の議事録を見つけ出しにくいという指摘、また各パートナーの連絡担当者からの情報共有事務局に対する情報提供が増加することに備えて、ウェブサイトの構成は改善される必要がある。

現行の情報共有方針については、次の指摘がなされた。

  • 情報の流れが一方的で多くのパートナーが受動的であるという指摘があり、それに対して、実施促進会合の議事録については会議出席者に配布され、議論と意見を反映させたものが、ウェブサイトに掲載されてきたという説明がなされた。議論のためのリストサーブを設定することにより、パートナーがより直接的に意見を発信・受信することができるようになるという提案があった。
  • e-mailの受信に問題があるパートナーは、郵送による定期的な情報提供を情報共有事務局に依頼することが可能である。その旨連絡があれば、定期的に情報を郵送できる。
  • 情報提供において、AFPは公式なパートナーと他の集団を区別しない。
  • AFPは、いままでに実施してきたことを超えてまで外部とのコミュニケーションを強化する段階に至ってはいないし、すべきではない。

 資金調達について、事務局のための安定した資金が必要であること、活動に特化した資金が必要であることの2点が検討された。一般論として、アジア地域には大量の資金があり、アジアの森林関連事業には(アフリカにくらべ)大量の資金が投入されているというFAOの報告もある(正確にはアフリカにおける森林関連事業への資金配分が少なかった)。すべてのパートナーは同等に資金調達の責任を負うべきではある。ただしNGOの中にはより資金調達に長けたパートナーがある。該当するNGOは、その経験により他のパートナーに貢献することができる。上記の他、資金調達戦略に関連して下記が挙げられた。

  • 民間企業や財団からの資金調達
  • 各パートナーの自発的貢献により活動が維持されてきた。
  • パートナー国の貢献に依存してきたが、貢献がない国家もあり、資金調達は問題点として残っている。
  • 資金調達の申請と管理を行う作業部会の設置が提案された。

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全体会議

森林火災と森林修復
座長: Dr.Dicky Simorangkir (TROPENBOS – Indonesia)

Mr. Liu Jin Long と Mr. Ma. Shuangbiao (中国)、 Mr. Hoang ChuongとMr. Do Thap (ベトナム)、 Mr. Martinus Nanang (IGES)、 永井順正氏(新世紀システム研究所)、 Mr. Harjanto Wahyu Sukotjo (インドネシア林業省森林火災管理総局長)、 藤間剛研究員 (CIFOR)による発表と、質疑応答と討論が行われた。

Mr. Liu Jin Long と Mr. Ma. Shuangbiaoは、中国では20億ヘクタールもの森林が劣化している重大な問題になっていること、同国はアジア地域で最大の森林面積を有するがその3割が森林劣化問題にさらされていること、そして次の具体的な問題点に言及した。

  • 環境条件に対する理解の欠如
  • 政策の不整合
  • 土地利用と環境条件の不整合

上記の問題を改善するための施策が立案され、実施に移されつつあることが発表された。

Mr. Hoang ChuongとMr. Do Thapは、森林修復はベトナムが国家として取り組んでいる問題で、同国には100万ヘクタールの森林に依存して暮らしている人がいること、問題を明確化するために詳細な社会経済学的調査が実施されたことを報告した。

 上記、社会経済的調査の結果を踏まえ、民間セクター、政府、市民団体、そして森林地域に暮らす人々が協働する対応策を立案した。対応策は実行に移されたが、その進捗は遅々としたもので時間がかかった。しかしながら、活動の継続により明瞭な結果をえることができた。長い時間と活動過程の結果、(森林修復の)社会的、環境的、経済的価値が認識されるようになった。

Mr. Martinus Nanangは、インドネシア東カリマンタン州西クタイ県の地域社会がIGESの開発した村落活動指針の支援を受けた事例について報告した。村落活動指針は、現地での活動と現実を基礎としたもので、つぎの特徴をもつ。

  • 意志決定過程を促進と補助。
  • 地域住民と政策決定者の意見を反映した政策形成。
  • NGOや研究・学術団体からの協力と協働の促進。

 新世紀システムの永井氏は、森林火災により発生する温室効果ガス量に関する統計を紹介し、森林火災は地域の問題にとどまらず地球環境問題にも関連することを述べた。

 AFPのパートナーは過去の失敗を繰り返すことなく情報を蓄積するとともに、アジア地域及び国際社会が直面する問題を解決するための活動が形成、実施されるべきことが強調された。

Mr. Harjanto Wahyu Sukotjoはインドネシア政府が森林火災対策として実施してきた活動について紹介し、特に次の3点を指摘した。

  1. 政策、法令および活動計画
  2. 国家戦略
  3. 過去の統計と資料が、森林火災の発生時に適切な対策をとるのに有効であること。

 藤間剛研究員は、第2回AFP実施促進会合における森林火災および森林修復作業部会の討議結果を紹介し、本ワークショップの作業部会では過去と同じ議論を繰り返すことなく、過去の合意事項を踏まえた議論をするよう促した。

 質疑応答および討論では、過去の経験をすべて共有するとともに、地域、国家、村落等、それぞれのレベルに応じた活動が必要であること、またAFPパートナーおよび関係者が経験と活動を共有し、アジア地域として活動を構築、実施すべき時であることが強調された。

 森林に関する問題は、世界でもアジアでも共通のもので、状況はいまだに改善されずむしろ悪化する傾向にある。森林が失われる前に、協同的かつ現実的な活動を起こす必要がある。

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作業部会報告

作業部会1: 森林火災
座長: Dr. Bishnu B. Bhandari (IGES – Japan)
報告者: Mr. Kuldip Poudel (Care International – Nepal)

同作業部会では、森林火災に関連する問題について共通認識をもつための議論がおこなわれた。主な論点は以下の通り。

  • 単純かつ低経費の森林火災早期発見システムの開発のために協力が必要。
  • 森林火災は、森林および原野火災と呼ばれるべき。(インドネシアでは、森林火災の6割以上は私有地からの延焼である。)
  • 森林火災は複雑な問題で、広い視点でとらえることが必要である。地球温暖化問題など、長期にわたる対策が必要である。
  • 森林火災には、貧困、人口増加、資源利用をめぐる対立、土地利用権、社会文化的要因などが関連しているため、問題解決には全体論的な施策が講じられるべきである。
  • 森林火災の背後要因の解決が必要。
  • フィリピンで適用されたような住民参加による森林管理が推奨される。地域住民が、自分たちで問題を特定し、解決策を検討・決定するとともに、実施とモニタリングも行う。上位機関(中央政府)による意志決定は住民が本当に必要とする場合に限定される。
  • 森林火災対策への民間企業の参画が欠如している。すべての利害関係者が参画すべきである。地権者や先住民、地域住民の懸念を踏まえ、活動を調整するとともに必要に応じ奨励策を講じるべきである。
  • 地域住民が情報を受け、積極的で責任ある参画をすることを奨励する。
  • 森林火災対策の成功例に関する情報と知見の再確認およびその普及。
  • 森林火災問題を止めるための現実的な研究、対象者の特定、支援を必要とする人々への到達、活動方法に関する研究の実施。
  • 信頼性を増すために、AFPは森林火災対策のための明確な作業計画を立案することが必要。
  • 各パートナーが実施する活動を調整する組織体制の確立
  • ASEAN, ITTOをはじめとする既存の組織・機関が保持するデータベースの強化および活用。

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作業部会2: 荒廃森林の修復
座長: Mr. Harry Santoso (インドネシア林業省)
報告者: Mr. Ali Yusop (サラワク林業局)

同作業部会では、2003年7月の第2回会合の議論の結果、全体会議での発表を踏まえ、行動指向の活動を提案することに合意した。主な論点は以下の通り。

  • 荒廃林、荒廃地に関する定義と区分が必要
  • 森林修復の定義と区分が必要
  • 民間企業、CDM、GEF、ネイチャースワップ資金等、森林修復実施のパートナーおよび資金源を探す必要がある。
  • 森林修復の目的(流域保全、森林機能、村落開発)と利用可能な資金に応じ、修復対象地の優先順位付けが必要。
  • 荒廃地での再植林や造林活動の動機、および阻害要因の特定。
  • リスクアセスメント(危険度評価)の必要性。(森林火災や囲い込み等、森林修復および再植林の成非に関わる要因がある。)
  • 森林修復および再植林事業の再評価と研究情報の収集
  • 生物環境条件、社会経済条件、実施機関等、再植林計画の策定に必要な情報の収集と評価。
  • 民間資金の導入を促すような、政府機関と民間企業間の協同体制の構築。
  • 割り増し価格や自由化など、森林造成に動機付けを与える地域活動の推進。
  • 土地および資源に関する紛争の解決
  • 森林修復、再植林への地域住民の参画および能力向上
  • 多分野協調による貧困の削減、地域社会の福祉への貢献に配慮した森林修復および再植林事業の立案。

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全体会議

違法伐採とそれに付随する貿易問題
座長: Dr.Agus Setyarso (Program Facilitator)

Dr. Nigel Sizer (Director for Asia-Pacific Forests Program, TNC; Mr. Hugh Speechly (Coordinator FLEG Program, DFID, UK)、 Mr. Banjar Yulianto Laban (Director of Forest Products Processing and Marketing)、 Mr. Bill Maynard (GFS) & Dr. Takeshi Toma (CIFOR)、 Ms. Indra Setia Dewi (LEI)による発表に引き続き、質疑応答と討論がおこなわれた。

Mr. Nigel Sizerは、政府歳入の損失、市場競争、社会的摩擦、環境に対する悪影響に対して、各パートナーが責任を共有すべきものであることから、違法伐採こそAFPが優先して取り組むべき課題であると発表した。 彼はまた、アジア太平洋地域各国の関税当局が他の政府部局と、互いに協力することで、違法な木材産品の貿易を減らすことができると述べた。 彼は、木材輸出国の協力により、二国間および域内各国の税関当局が協力することが、戦略的、低経費、効果的な活動に繋がることを示唆した。さらに違法伐採産物の特定が輸出国主導で強化されるべきこと、いくつかの国において違法伐採産物の特定を向上させるための活動に法的な枠組みが必要なことに言及した。

Mr. Hugh Speechlyは、違法伐採とそれに付随する貿易が無視できない広がりを持っていること、問題解決には協同活動が必要であることは、すでに十分認知されているとした。そして、アジア地域においては、違法伐採対策として東アジア森林法施行推進(FLEG)と、AFPという二つの地域的な取り組みがなされている。 FLEGとAFPについては、緩やかな協力から両者の統合までいろいろな可能性があるため、両取り組みの内容を比較検討し調和のとれた活動をすることを提案した。 この提案に答える決定は、FLEGおよびAFPの中でもアジア地域における違法伐採問題対策に主導的役割を果たしている関係者によって下される必要がある。また決定に際しては、それぞれの取り組みが達成すべき目標が明確にされるとともに、目標達成のためにとるべき現実的な活動が調和のとれたものとなるようにする必要がある。 さらに両取り組みの運営体制や、利用可能な資源、活動効率等も検討されなければならない。AFPにはさらに、ITTOや汎アジア森林認証事業など、アジア地域の違法伐採対策につながる活動と、協同する余地がある。なおASEAN事務局とITTO代表団およびメンバー国代表は、AFP会合が協同を最大化するための場であると定義した。

Mr. Banjar Yulianto Labanは、持続的森林管理を達成するためのインドネシアの国家政策、違法伐採および違法に伐採された木材および森林産物の貿易対策について、二国間および多国間活動について紹介した。彼は、違法伐採とは、伐採が行われた国家においてその伐採及び輸送の方法が、法律および条例に反するものであるとした。彼はさらに、インドネシアでは林業省発行の書類により木材の合法性が確認されることに言及した。木材産品の輸出にあたっては、合法性に関する書類、産地報告書を基にしたBRIKによる確認と保証が必要である。

彼はさらに、合法性の確認方法に関する合意は、世界中すべての国家で例外なく適用可能なものであるべきで、インドネシアの木材産業が直面する問題の解決には貿易からの除外(ボイコット)ではなく建設的な契約がなされるべきで、合法性の確認には高額の経費を要することから市場での平等な競争を可能とするために、購入者側がその費用を負担するのが望ましいとした。

Mr. Bill Maynardと藤間剛氏は、熱帯地域のガバナンスが虚弱な発展途上国由来の木材の合法性を評価することの必要性について発表した。合法性の概念についてその主要な部分は、主な関係者が受け入れることができる明確なものである必要がある。また、森林産物は加工、貿易から小売店までの過程が法的必要手順を満たしていることを示すことの出来る追跡性が必要である。追跡性について、現在適用されているのは、第3者による加工流通分野認証と、検閲による方法である。森林産品の合法性の評価と追跡については多数の方法が存在するため、市場での需要に応じて異なる方法を適用することが必要である。木材伐採の合法性の確認と製品の市場への流通過程の追跡のための完璧な方法はない。つまり木材製品の合法性を認証するシステムが必要とする主な要素は、市場からの需要に応じた産地における合法性の現実的な評価、そして製品の加工、貿易そして市場にいたる過程を追跡する明快な加工流通分野認証である。合法性の確認へ需要を増加させるのは市場であり、独立した信頼できる査定者が必要になる。合法性が確認された木材に対する需要の増大は、森林管理と加工流通分野認証を確立した企業の市場への参加を補佐する、査定者やコンサルタントの需要を増やす。

Ms. Indra Setia Dewiは、LEI(インドネシア、エコラベリング機関)が木材の産地を確認するための追跡を可能とする産地合法性検証システム(Legal Origin Verification System, LOV)を構築中であることを紹介した 。 LOVは、木材の出自が合法であることを特定するため、流通分野認証と同様の手法を適用し、検証者、有識者を含む第3者機関が確認するものである。LOVは複数の利害関係者の参加を基礎としている。 NGOのネットワークと地域社会の役割は、活動を観察し検証者に情報を提供することである。政府機関の役割は、政策を遵守することと認証活動を促進し奨励策を講じることである。 民間企業の役割は、産地の合法性と適切な施業の実施である。第3者認証機関の役割は、森林認証の第一段階としての木材産地の合法性の検証である。国際社会の役割は、合法的な産地からの木材を購入することと生産者が森林認証に向かうよう市場動機を提供することである。違法伐採を減らすには、AFPその他の利害関係者からの支援が必須である。

発表に引き続いて行われた討議の論点は以下の通り。

  1. 体制の強化
    • 合法性の定義に関する、調和、協働、協調。
    • 協同関係の強化。
    • 協同活動実施のための枠組みの構築。

       
  2. 協同体制の構築
    • 様々な利害関係者の参画の推進。
    • 官民協同体制の構築(投資の推進)

       
  3. 多国間問題に対応するための枠組みの創設
    • 既存の枠組みへの追加。
    • 活動の補完。
    • 法令遵守義務の統合化。

       
  4. 統治能力の強化
    • 能力向上の実施。
    • データベースの強化と情報共有の透明化。

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Last Update: Tuesday, December 07, 2004
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